留学前に英語を勉強しておくことは、海外での生活をより充実させるために非常に重要です。
しかし留学を控える人の中には、「どれくらい英語力を高めるべき?」「留学前におすすめの効率的な学習法は?」と疑問を抱える方も多いことでしょう。
本記事では、留学の目的別に必要な英語力と、効率的な学習方法をご紹介します。
語学留学から大学留学、インターンシップまで、目的に合わせた英語学習のアプローチを解説し留学準備をサポートするので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
【結論】目的に合わせて留学前に英語の勉強をしたほうがいい
留学前の英語学習は、留学の目的によって必要な英語力が大きく異なるため、目的に合わせた準備が必要です。
ここからは、以下の留学目的別でどれくらいの英語力が求められるか解説していきます。
↳基礎レベルの英語力が求められる
↳高い英語力が求められる
↳企業により求められる英語力が異なる
※独自の見解となるため、1つの目安としてご参考ください
留学前に一定レベルの英語力を身につけておくほうが現地での適応が早く、より多くの経験を積める傾向があります。
現地での交友関係も広がりやすくなるため、より充実した留学生活を送りたい方はチェックしてみましょう!
語学留学:基礎レベルの英語力が求められる
語学留学を目的とする場合は、英語をゼロから学ぶことを想定しているプログラムもあるため、高度な英語力は必ずしも求められません。
しかし基礎的な日常会話や簡単な文法、基本的な単語を理解していると授業についていきやすく、より高いレベルからスタートできます。
高校生基礎レベルの英語力があれば一般的には問題ない場合が多いでしょう。
【高校生基礎レベルの英語力目安】 簡単な質問の受け答え など |
大学・専門学校留学:高い英語力が求められる
大学や専門学校への留学では、講義を理解し、ディスカッションに参加し、レポートを書くための高い英語力が必要です。
【大学留学レベルの英語力目安】 |
大学留学をするためには入学条件(テスト)をクリアする必要がありますが、それ以外にも学校生活で必要な英語力を高めておきましょう。
アカデミックな環境では、以下のようなスキルが求められます。
【留学先の学校生活で求められるスキル】 |
大学留学前にアカデミック・ライティング(※)やリーディングを集中的に学習した学生は、現地での学業適応が速いと言われることもあるため、参考にしてください。
※アカデミック・ライティングとは:学術的文章(授業レポート、卒論など)を書く技術のこと
インターンシップ留学:企業により求められる英語力が異なる
インターンシップ留学の場合、配属される企業や業界、職種によって求められる英語力が大きく異なります。
【一般的に必要なビジネス英語スキル】 |
【職種別に求められる追加スキル】 |
TOEIC 650点以上(中級レベル)を目安とし、業界特有の用語やフレーズを学んでおくと有利です。
前提として、ご自身の会社・業種で求められるレベル感についてよく確認して勉強に臨みましょう。
▼ビジネス英語の勉強法が知りたい人はこちらもチェックしてください。
ビジネス英語の勉強は難しい?英語学習初心者の社会人でもできる勉強法も紹介
海外留学前に高めるべき英語力と強化する順番
留学前に高めるべき英語力とおすすめの学習手順を以下4ステップでご紹介します。
留学前という限られた時間内で英語力を効率的に伸ばすには、適切な順序で学習を進めることが重要です。
「もっとここの勉強をやっておけばよかった…」と後悔せずに充実した留学生活を送るためにも、参考に勉強をして準備を整えておきましょう!
Step1.インプット:単語・フレーズ・文法を覚える
英語学習の土台となるのが単語・フレーズ・文法の習得で、これらは英語の「部品」であり、どんな英語スキルを伸ばすにもまず必要になります。
単語学習は以下の単語数を目安に、フラッシュカード(※)などを使って効率的に覚えましょう。
※表にイラスト、裏に単語が書いてあり瞬時に記憶を定着させる勉強法
【小・中・高で学ぶべき単語数】 |
【留学の目的別に必要な単語数の目安】 ※アカデミック語彙を含む ※業界専門用語を含む |
新しい単語は、コンテクスト(文脈)の中で学ぶと単独で覚えるよりも記憶の定着率が高まりやすいため、試してみてください。
文法は実際の使用場面を想定しながら学ぶと定着しやすくなります。
毎日通勤電車などのスキマ時間で単語帳を見るなど、繰り返しインプットを行うことが大切です。
間違えた単語や文法問題は自分の苦手一覧としてまとめておき、2回連続で正解となるまで毎日苦手問題を繰り返し解くなど、インプット⇔アウトプットの反復をしてみましょう。
Step2.アウトプット:ライティング力を高める
単語や文法の基礎がインプットできたら、次はライティングでアウトプットを繰り返します。
書くことで文法規則や単語の使い方を実践的に身につけることができ、文章構成能力も向上します。
【ライティング練習の段階的アプローチ】 ※初心者向け ※上級者向け |
ネット上の翻訳機能を使うなど、最初は自己完結できる形で進行し、形になってきたらSNSやメールで対人でFBを受けてみましょう。
SNS上でネイティブスピーカーを見つけて添削をお願いしてみたり、知り合いに頼むなども1つの手段です。
さらに高いライティング力を求める場合は、スクールに通いプロに指導してもらうのがおすすめ。
また、大学留学を目指す方は、アカデミック・ライティングの基本(論証の構成、引用の仕方など)も学んでおくと良いでしょう。
Step3.インプット:リスニング力を高める
リスニング力は留学生活で特に重要で、授業やミーティング・日常会話など、あらゆる場面で聞き取る力が必要とされます。
【リスニング練習に活用できる素材や勉強法】 ※最初は字幕付き→慣れてきたら字幕なし ※聞こえた英語をすぐに真似して発話する練習 |
【留学目的別のおすすめリスニング教材】 |
映画を字幕でみたり、リスニング教材で問題を解いてみたりと、できれば毎日15分でも英語を聞く時間をつくることが大切です。
単語やフレーズをある程度インプットしてから、ライティングと同時進行で習慣化してみましょう。
Step4.アウトプット:スピーキング力を高める
最後に実践的な会話練習でスピーキング力を高めることで、コミュニケーション能力を向上させます。
【スピーキング練習の機会】 |
【スピーキングスキルの段階的向上】 ※初心者 ※上級者 |
まずは英会話アプリを活用してAIを相手に練習を重ねて、抵抗が減ってきたら、対人で実践を積んでみましょう。
文法的に完璧でなくても、伝えたいことが伝わればコミュニケーションは成立するため、「正確さ」より「流暢さ」を優先するのがコツです。
留学先では積極的に話す姿勢が評価されるので、間違いを恐れないマインドセットを持って臨んでみてください。
留学前におすすめの英語の勉強法2つ
留学前の英語学習において、特に効果的な勉強方法を2つご紹介します。
上記2つは自宅で取り組めるうえ、実践的なコミュニケーション能力を高められるため、留学準備に最適です。
英会話アプリ
英会話アプリは時間や場所を選ばず、手軽に英語学習ができる便利なツールです。
【メリット】 |
【デメリット】 |
特にAI搭載のアプリは、実際のコミュニケーションを通じて学べるため、留学前の実践的な練習になります。
メッセージのやり取りから始めて、慣れてきたらビデオ通話で会話練習をすることもできます。
AI英会話アプリであるスピークバディなら、AIキャラクター「バディ」との会話を通して1人1人の弱点を分析し、ユーザーに合わせたカリキュラムを自動生成が可能です。
アプリ名:SpeakBuddy(スピークバディ) |
【機能・特徴】 |
【おすすめな人】 |
【料金】 ※初回限定無料トライアル期間あり |
1日の学習時間は10~15分と短時間からゲーム感覚で進められるため、スキマ時間を活用した効率的な英語学習にぴったりです。
初回限定で無料トライアルができるので、まずは気軽に試して自分に合うか確かめてみましょう!
オンライン英会話スクール
大学留学やインターンシップ留学などが目的で、より本格的に英会話を学びたい人には、オンライン英会話スクールがおすすめです。
【メリット】 ※TOEFL/IELTS対策、ビジネス英語、日常会話など目的別コース など |
【デメリット】 |
オンライン英会話なら講師と会話練習ができるため、AI英会話アプリでは対応できない細かなフィードバックを受けたり、その場で疑問解消をすることができます。
独学では気づきにくい発音や表現の間違いを修正できることが大きなメリットでしょう。
また、留学目的に合わせたレッスンを柔軟に選べるため、より専門性の高い内容を学びたい人にはぴったりです。
コーチバディなら、TOEIC900点以上 or 英検1級以上相当のコーチから細やかな指導を受けられるうえに、前述したAI英会話アプリ「スピークバディ」も利用できます。
サービス名: コーチバディ |
【特徴】 |
【おすすめな人】 |
【コース】 ▼ベーシックコース 1日1.5時間の学習×84日 ▼スピーキングマスターコース 1日1.5時間の学習×84日+毎週の外国人との英会話 ▼マスタープラスコース 1日1.5時間の学習×168日+毎週の外国人との英会話 |
【料金】 ▼入会金 55,000円 ▼ベーシックコース 283,800円 ▼スピーキングマスターコース 415,800円 ▼マスタープラスコース】 787,600円 ※表示価格はすべて税込みです |
大学留学やインターンシップ留学など高い英会話力が求められる人は、予算や学習ペースに合わせてぜひオンライン英会話スクールを検討してみてください。
海外留学前におすすめの英語学習スケジュール
以下の留学の目的別に、おすすめの学習スケジュールをご紹介します。
効果的な英語学習には計画性が重要なため、目的に合わせて逆算思考でスケジュールを立てて進行しましょう。
語学留学の場合
語学留学の場合は、基礎的な英語力の習得を中心に3ヵ月~半年を目安に計画を立てましょう。
時期 | 勉強内容 |
---|---|
留学3ヵ月前 | 【基礎のインプットがメイン】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※インプットした単語・フレーズ・文法をアウトプットするイメージ |
留学2ヵ月前 | 【アウトプット中心に1ヵ月目のインプットを落とし込む】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※挨拶、自己紹介、相手に質問をするなど |
留学1ヵ月前 | 【インプット⇔アウトプットを繰り返す追い込み時期】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※買い物、交通機関、病院などのシーン別 |
上記の内容で勉強時間の確保が難しい場合には、土日の勉強量をおおよそ半分ずつ減らして、半年かけて勉強してみてください。
日常に英語をなじませるためにも、リスニングと単語・フレーズの暗記学習は、できるだけ毎日10分でも取り組むことをおすすめします。
留学開始時には基本的な日常会話に対応できるレベルに達して、より充実した留学生活を送れるよう、ぜひ参考にしてください。
大学留学の場合
大学留学ではアカデミックな英語力が求められるため、半年~1年を目安に計画を立てましょう。
時期 | 勉強内容 |
---|---|
留学6ヵ月前 ~4ヵ月半前 | 【基礎のインプットがメイン】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※インプットした単語・フレーズ・文法をアウトプットするイメージ |
留学4ヵ月半前 ~3か月前 | 【アウトプット中心】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※挨拶、自己紹介、相手に質問をするなど |
留学3ヵ月前 ~1か月前 | 【インプット⇔アウトプットを繰り返す】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※買い物、交通機関、病院などのシーン別 |
留学1か月前~ | 【リスニング⇔スピーキング中心の追い込み時期】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 |
大学留学の場合は語学留学とは異なり、アカデミックな語彙や専門用語のインプットも行う必要があります。
もし上記の内容で勉強時間の確保が難しい場合には、土日の勉強量をおおよそ半分ずつ減らして、1年かけて勉強してみてください。
段階的かつ集中的な学習計画を実行すれば、留学先の大学で初学期からスムーズに学業に適応できるでしょう。
英語学習は継続が重要!モチベーションを保つコツを紹介
英語学習を継続するための、モチベーション維持のコツをご紹介します。
留学前に英語力を効率よく最速で身につけるためには、継続してインプット⇔アウトプットを行うことが重要なので、ぜひ参考にしてみてください。
▼モチベーション維持のコツを知りたい人はこちらもチェックしてください。
英語学習でモチベーションを保つコツは自分の成長を見える化すること!下がる原因と対処方法も解説
①大目標に向けた小目標を立てて、達成感を味わう
留学前の英語学習を継続するためには、大目標に向けた小目標を立てて、達成感を積み重ねることが大切です。
「留学で困らない英語力を身につける」という大きな目標だけでは、抽象的かつ現状との差分が大きく、モチベーション維持が難しくなります。
そこで、達成可能な小さな目標を設定し、一つずつクリアしていくことが成長実感に繋がり、継続できるようになるのです。
【小目標の例】 |
また、目標達成時に自分へのご褒美を設定するのも、モチベーションを維持するうえで効果的です。
漠然とした大目標だけを持つのではなく、具体的で達成可能な小目標を設定してゴールまでの道のりを作り、学習を継続しましょう。
②小さなことから習慣化してみる
小さなことから英語学習を日常で習慣化することで、継続のハードルが下がります。
「勉強しなきゃ」と無理に奮い立たせて継続するのは大変なため、いかに「無意識で習慣化」できるかが重要です。
【小さな習慣の例】 |
【習慣化のコツ】 ※通勤電車内で単語を5つ覚える、 毎朝英語で簡単なジャーナリングをする、 朝のコーヒーを飲みながら英語ニュースを見る、 夕食後に10分間英会話アプリで学習する など ※学習の連続日数をカレンダーで記録する など |
トリガーを設定し日常の行動と結びつけたり、連続記録をつけて「記録を途切れさせたくない」という心理を働かせたりすると、習慣化しやすくなります。
まずは最初の30日を継続することを意識して、自分にとってハードルが低い学習を習慣化していきましょう。
③映画や音楽など、楽しみながら英語学習をする
英語学習を楽しい活動と結びつけることで、学習へのポジティブな感情が生まれ、継続しやすくなります。
以下のように、自分の中で「勉強」ではなく「娯楽」と思える形で英語学習を取り入れてみましょう。
【娯楽感覚の英語学習例】 ※電子書籍なら辞書機能も便利 |
自分の興味のある分野を英語で楽しみ、無理なく学習時間を確保してみてください。
留学前の英語学習に関するよくある質問
留学を控えた方からよく寄せられる質問と回答をご紹介します。
留学前にすることを明確にして細かな疑問を解消し、事前準備を整えておきましょう!
留学の1か月前など直前にやるべき英語学習は?
留学直前の1ヶ月前からは、これまでの学習の総仕上げと現地生活に直結する実践的な準備に充てるのが効果的です。
【語学留学の場合】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 ※買い物、交通機関、病院などのシーン別 |
【大学留学の場合】 ▼平日(通勤時や帰宅後などスキマ時間を活用) ▼土日 |
上記はあくまで一例ですが、留学の目的に合わせてレベル感や所要時間を調整し、インプット⇔アウトプットを繰り返してみましょう。
社会人が留学する前におすすめの勉強法は?
時間に制約のある社会人が留学する場合には、スキマ時間を活用できる効率的な事前学習が重要です。
【社会人におすすめの勉強法】 |
【学習シーン例】 通勤時間や休憩時間で、英語学習アプリやポッドキャストなどを活用。 1日10分でも継続することが重要です。 週末に2〜3時間のまとまった時間で集中的に学習。 オンライン英会話やTOEIC対策などに充てる。 朝30分早く起きて英語学習をする方法も効果的。 脳が最も活性化している朝の時間は、学習効率が高まる。 |
▼社会人におすすめの英語学習について詳しく知りたい人はこちらもチェックしてください。
社会人向け英語勉強方法の解説!忙しくても効率よく英会話ができるようになるには?
留学前の英語学習は計画的に!自分に合う方法で勉強しよう
留学前の英語学習は、単なる語学力向上だけでなく、海外での生活をより充実させるための重要な準備です。
本記事でご紹介したように、留学の目的に合わせた英語力の目標設定と、効率的な学習方法の選択が成功への鍵となります。
【英語学習において重要なポイント】 ※大目標と小目標の設定、習慣化、楽しみながらの学習など |
単語・文法の基礎インプットからスタートし、ライティング、リスニング、スピーキングへと段階的にスキルを積み上げることを心がけてください。
また、英語学習の習慣化や小目標の達成により日々の小さな進歩を実感しながら、長期的な目標に向かって着実に前進していきましょう。
英語学習に「完璧」はありません。
留学開始時点で不安を感じるのは自然なことですが、現地での積極的な姿勢があれば、英語力は留学中にさらに飛躍的に伸びていきます。
本記事が、あなたの留学準備の一助となり、充実した海外経験につながることを願っています。